サンプーチャンはまずい?うまい?どんな味?

中国の伝統的なデザートには、見た目や食感、味の面で独特なものが多く、日本人の味覚とは異なる方向性を持つものも少なくありません。
その中でも、特に異彩を放つ存在が「三不粘(サンプーチャン)」です。
「三不粘」とは、
・皿にくっつかない
・箸にもくっつかない
という三つの“不粘”から名づけられた料理で、技術力の高さを示す象徴的なスイーツとされています。
山東料理や淮揚料理の宴席料理として提供されることが多く、その由来は清代の宮廷料理にまで遡るといわれています。
食べた人の感想が真っ二つに分かれるのもこのスイーツの特徴で、
・甘さ控えめで上品
といった肯定的な意見がある一方、
・甘くないのにデザートなの?
という否定的な意見も少なくありません。
本記事では、この三不粘の「まずい」と言われる理由と、「うまい」と絶賛される理由を、歴史・調理技術・食文化の側面から多角的に分析し、徹底レビューとしてまとめていきます。
サンプーチャンとは?どんな味?
出典:https://tabelog.com/
材料の構成
この料理の主な材料は、卵黄、小麦粉、でん粉、砂糖、油。
見た目は黄色く、とろみのあるペースト状の料理で、香りは卵黄と油の香ばしさが混ざった、なんとも独特なものです。
味の基本構成
サンプーチャンの味の基本は、
・控えめな甘さ
・油の香ばしさ
で成り立っています。
砂糖は入っていますが、日本のお菓子のようなはっきりとした甘さとは異なり、むしろ素材の持つ自然な風味を活かす方向で設計されています。
食感の特徴
食感は非常に個性的です。
ねっとり、トロッとしており、まるでカスタードクリームと練り切りの中間のような感覚を覚える人もいます。
温かいうちはなめらかで柔らかく、冷めるとやや弾力が増して粘度が上がります。
この「ふわとろ感」が癖になるという人がいる一方で、「ぬめっとしていて不快」という反応も見られるなど、まさに“人を選ぶ食感”と言えるでしょう。
なぜ「まずい」と言われるのか
食感が中途半端で違和感を感じる
多くの「まずい」と評価する人が最初に挙げるのが、食感の違和感です。
日本人は
・サクサク
・とろとろ
といった食感には慣れていますが、サンプーチャンの「ねちょねちょ」とした食感は、どの既存のカテゴリにも当てはまりません。
特に、初めて食べる人には
・柔らかくて弾力がある
食べ物という時点で違和感を感じる場合が多く、そのまま拒絶反応につながることも。
油の使用量が多く重たい
もうひとつの大きなマイナスポイントは油の多さです。
サンプーチャンは炒める過程で多量の油を必要とし、特にラードを使用することもあるため、口の中に油分が残る感じが気になるという人もいます。
冷めるとさらに油の存在感が際立ち、べたっとした印象を強めてしまうため、
・食後に胸焼けがする
という声も少なくありません。
甘さが物足りない
デザートとして食べるには、甘さが足りないと感じる人もいます。
砂糖は入っていても、その量は控えめで、全体的に素材の味を活かす構成になっているため、日本人が想像する「スイーツ」とは一線を画しています。
このため、
・デザートを期待していたのに甘くない
といった期待外れの印象を持つ人が一定数いるようです。
見た目が食欲をそそらない
鮮やかな黄色、ぬるっとした光沢、粘度のある質感。
これらが組み合わさると、「食欲をそそる」どころか「むしろ引いてしまう」という反応も出てきます。
美的感覚の違いもありますが、洋菓子や和菓子のようにデコレーションされた美しさとは異なるため、インスタ映えを意識する層からは避けられがちです。
一方、「うまい!」と絶賛する人たちの声
卵黄の旨味が凝縮された濃厚さ
「卵好きにはたまらない!」という声が多いのも事実です。
サンプーチャンは卵黄をふんだんに使うため、コクと深みがあり、卵そのものの味わいをダイレクトに楽しめます。
卵を使った洋菓子(クレームブリュレやカスタードプリン)ともまた違う、素材の旨味を前面に出した味わいが、一部のファンには刺さっているようです。
技術が問われる料理だからこそ、完成度に感動
サンプーチャンは調理の難易度が非常に高く、火加減や混ぜ方、加熱時間によって仕上がりが大きく変わります。
完璧な火入れによって生まれるなめらかな舌触りや、絶妙な粘度に仕上がったサンプーチャンは、まさに「職人の技術の結晶」です。
料理としての芸術性を感じる人にとっては、「食べる体験そのものが尊い」と感じるにふさわしい一品です。
甘さ控えめで上品、茶との相性が抜群
中国茶文化に根ざしたサンプーチャンは、緑茶やジャスミン茶などの香り高いお茶と非常に相性が良く、口の中での味のバランスが取れることで評価が高まります。
・甘さよりも香りや食感を楽しむ大人のデザート
としての価値を見出す人も多く存在します。
歴史的・文化的価値を評価する層
料理に歴史や文化を重視する層にとっては、サンプーチャンは非常に魅力的な存在です。
中国の宮廷料理として伝えられた由緒正しい料理であること、また現代では熟練の料理人しか作れない難しさも手伝って、「食べることで文化に触れる感覚」を味わえるという評価も根強くあります。
口コミ
まずい・美味しくないと言う口コミ
「サンプーチャンは作れる人がいないのではなく手間の割に美味しくないので誰も作らない」ってどっちも言ってて蟇目さん可哀想
— kaneo (@kaneo_) August 27, 2022
食べた人皆が一様に美味しくないと言い、料理人も作るの疲れるから嫌と言っているのに、見映えと憧れから常に一定の需要と供給があり続ける謎の料理。
サンプーチャン。— らくとせ@ (@Crys_Weissklee) December 16, 2024
サンプーチャンは美味しくないということがわかりましたw
#ラヴィット— 冬眠中のくま (@xziD3G0O0lvLBOM) July 24, 2023
サンプーチャンと言う幻のスイーツを作って食べたわ。
労力の割には、味は大した事ないのよ。
作るのが凄く難しい割にはあまり美味しくない。
アレンジした方が良いわね。
でも、昔の人はこれを食べてたのよね?
画像はネットから持ってきたわ。 pic.twitter.com/cC8mGDGfCc— 宵闇春華 (@yoiyami_syunka) January 26, 2025
うまい・美味しいと言う口コミ
#甘党すこん部
サンプーチャンって言う中華料理のスイーツ作ってみた!味はカスタードクリームみたいで甘くて美味しいです!
上手くやれば綺麗な黄色になるらしいのですがそれでも結構上手くやれたと思います!これ実は宮廷料理らしいっすよ… pic.twitter.com/7OjD4zbn3a— なっぺ。ホロリスの姿🌽 (@kame_gorou) January 19, 2025
#ぺこらいぶ
ホンモノの三不粘(サンプーチャン)食べてきた。
餅みたいな食感でそこまで甘くなく上品な感じだった。
とても美味しい。 pic.twitter.com/cqgkjCGpIo— 月猫のえる🗡🗡V猫リスナー (@LunarcatNoel) July 9, 2022
サンプーチャン作りました。
美味しいです。 pic.twitter.com/DGBChBJmGZ— 鬼夜宵@吸血鬼、カクヨム、なろう (@oniyoruyoi) October 10, 2024
サンプーチャンって卵菓子作ってみたけど、上品なカスタード味で美味しいね! pic.twitter.com/l7iLn2cVoG
— あんかき (@imoroku7) February 21, 2021
サンプーチャン初めて作ったけど
中華鍋無かったからフライパンで
代用して作ってみたけど、
伸びはしなかったけど美味しいわ。 pic.twitter.com/WZmLwsd0eI— 【にゅう】くろくま(深淵絃音)🐰🍓💙🌸🫧🤍🐇🖤 (@Shinenniochiro3) August 3, 2024
サンプーチャンに合う飲み物・食べ方の提案
中国茶とのペアリング
やはり最も相性が良いのは中国茶です。
特に、香り高い烏龍茶やジャスミン茶、あるいはプーアル茶などの発酵茶との組み合わせは絶妙です。
油分をリセットしながら、卵の香りを引き立ててくれる働きがあるため、よりバランスの取れた味覚体験が可能になります。
温度調整で変わる食感
サンプーチャンは温度によって大きく印象が変わるデザートです。
作りたての熱々状態ではトロッとした柔らかさが際立ち、冷めていくとともに粘度が増して餅のような弾力が出てきます。
食べるタイミングを変えることで、まるで別の料理のような印象になるため、「一度で二度美味しい」体験ができるのも魅力のひとつです。
他のデザートとの組み合わせ
現代風のアレンジとして、フルーツと合わせる、ミルクアイスを添えるなど、洋風の素材との組み合わせも注目されています。
卵と油のリッチな味に酸味や冷たさを加えることで、より食べやすくする試みも成功しており、若者層の支持を得ています。
海外・日本での評価と広がり
海外の中華レストランでの取り扱い
北米や東南アジアの高級中華レストランでは、伝統デザートとしてサンプーチャンを提供するところもあります。
料理通の間では「隠れた逸品」として知られ、特に中国系富裕層の間で人気があります。
日本での認知度と反応
日本ではまだあまり知られておらず、メディアで取り上げられることも稀です。
しかし、近年はSNSやYouTubeの食レポ動画を通じて知名度が少しずつ上昇しており、「珍しい中国のスイーツ」としてチャレンジする若者も増えています。
まとめ
サンプーチャン(三不粘)は、確かに万人受けするデザートではありません。
・濃厚な卵の風味
・控えめな甘さ
・大量の油
どれもが、日本人の一般的なスイーツ感覚とは大きく異なり、「まずい」と感じる人が出てくるのも無理はありません。
しかしながら、そこに
・伝統の重み
を見出すことができる人々にとっては、サンプーチャンは「深く、そして豊かな味わいを持つスイーツ」であり、他にはない特別な存在となります。
重要なのは、この料理を単なる味の好き嫌いで判断するのではなく、文化や技術、歴史といった背景とともに受け止める視点を持つことです。
サンプーチャンは、あなたにとって「まずい」のか「うまい」のか。
その答えは、あなた自身の体験と価値観によって決まるのです。
この一風変わった伝統スイーツに、ぜひ一度、向き合ってみてください。